[特集]ひとみしょう 作 『世界が変わるとき』第6話(ユカイノベル)

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ひとみしょう 作 『世界が変わるとき』第6話

―――それは、一人の女性の成長物語―――
ユカイノベル

世界が変わるとき ~自分に自信がなかったわたしが自信を持つまで~

ひとみしょう 作

第6話「ソープに向いている女子・向いていない女子」

土浦

茨城県の土浦でも水戸でもよかったのだけれど、風俗の求人サイトで見つけた土浦のソープのほうが、水戸のソープよりも先に面接の日程が決まったので、わたしは土浦のソープランドで働くことにした。

まずはソープ嬢の話をしよう。

ソープには本当にさまざまな女子がいる。

親から暴力を受けつつ、やっとの思いで高校を卒業して、親に「これまでお前を育てるのにかかったお金を払え」と脅されて、しかたなくソープで働いている子もいる。

そういう子の中には、何回も自殺未遂をしている子だっている。

有名なお嬢様大学を卒業して、アナウンススクールにも通ったけれど、結局、就職先がなくて、ソープランドで働いている子もいる。

高級キャバクラ店に勤務していて、お客さんとの色恋営業に疲れてソープに来た子もいる。高級クラブで客の売掛金を回収できず、500万円の借金を背負ってソープに来ている子もいる。

ソープ嬢とエッチの話をしよう。

ソープランドには、エッチが好きな女子と、そうではない女子とがいる。

お客との関係なんて、お金のためだけ……こんなふうに割り切っている子もいれば、少しばかりタイプのお客さんが来たら、思わずひとりのオンナとして、欲情しちゃう女子もいる。

ペニスを見たら諭吉にしか見えないと言っている女子もいれば、自分も気持ちよくなりたい……お金を稼ぎながら自分も満足したい、そんな女子だっている。

大好きな彼氏とのエッチ以外は、すべて「ただの作業」と思っている女子もいれば、お客さんとのエッチを楽しんでいる子もいる。

わたしはお客さんとのエッチを楽しいと思った。

ソープランドに入ると、まず講習がある。

わたしのお店は先輩の風俗嬢が講習してくれた。

わたしはすでに人前でハダカになることに抵抗がなかったし、デリヘルなどでアルバイトをしていたから、サービスの流れと、マットプレイなどの細かい技を中心に教わった。

教わりながら、レズも悪くないかも……なんて頭の片隅で思ったくらい、わたしはエッチなことに抵抗がなくなっていたし、ハダカをなによりも美しいものだと感じるようになっていた。

講習は、まずお客さん役の先輩風俗嬢の上着を脱がせてハンガーに掛けるところから始まる。

同時に、お客さんに脱衣カゴを渡し、自分で洋服を脱いでもらう。高級店は、靴下やパンツまですべて女子が脱がせてあげるらしいけど、わたしが入ったお店は中くらいのお店だった。

お客さんに脱いでもらっているあいだ、お風呂にお湯をため、スケベ椅子の準備をする。

シャワーをかけて温めたスケベ椅子にお客さんが座ると、消毒液を湯で薄めた液体を洗面器に張り、お客さんの局部を丹念に洗う。

わたしが先輩お姉さんのアソコを洗っているとき、お姉さんは「洗いながらお客さんのを見て、病気のチェックをするのよ」と、やさしく教えてくれた。

アソコを洗い終わると、今度はふつうにボディソープとスポンジで体全体を洗う。

そしてスケベ椅子に座っているお姉さんの後ろにまわって、顔をお尻の下に入れてアナル舐めのサービス……このへんから、いわゆるソープランドっぽいサービスになってくる。

スケベ椅子のサービスが終わると、お客さんをお風呂に入れて歯ブラシとカップを渡し、歯磨きをしてもらう。

お客さんが歯磨きをしているあいだ、ソープ嬢は壁に立てかけてあるエアマットを床に置き、シャワーをかけて温め、洗面器にローションとお湯を入れる。ヌルヌル感がちょうどいいローションを作るのだ。

そしてそれをエアマット全体に塗ると、マットプレイの準備完了!

準備が終わると、お客さんをうつ伏せに寝かせ、お客さんの背中と自分の体の前面にローションを塗り、体を密着させながら前後に滑るようにスライドさせる。

「乳首がかるくお客さんの背中に触れる感じでやるのよ」と、先輩お姉さんはわたしに教えてくれた。

次にお姉さんを仰向けにして、同じように前後にスライド。

「このとき、あなたのアソコがお客さんによく見えるように滑るのがポイントだよ」

お姉さんはあっけらかんとして言った。わたしはお姉さんに、わたしのアソコが見えるように滑った(なんか変な感じだったけど、この時わたしは、レズもできるかもと思った)。

マットプレイが終わると、お客さんは再びお風呂へ!

わたしはマットをシャワーで洗って片付けて、お客さんが入っているお風呂に一緒に入る。

で、「潜望鏡」!

ソープ嬢とお客さんが向かいあってお風呂に入り、ソープ嬢が膝を立てて、そこにお客さんのお尻を乗せる。当然、お客さんのペニスが湯の上に出現! それをフェラするサービスが潜望鏡。

お風呂から上がると、最後はベッドプレイ。ベッドでは女性上位のプレイをお姉さんに教わったけれど、お客さんが希望するやり方でやればいいと言われた。

「だってさ、どんな仕事でも、まずは自分が楽しんでないと、お客さんに感動を与えることなんてできないでしょ?お客さんって、ソープ嬢が演技しているのがわかったら嫌がるのよ。だから本気で気持ちよくなれそうなお客さんだったら、マジでプレイを楽しむといい。すべてのお客さんと楽しくないエッチをしていたら、だんだんとしんどくなっていくしね」

わたしは笑顔で「ハイ! 楽しみます」と答えた。

講習が終わると、その日のうちにお店がお客さんをつけてくれた。

わたしがソープで働くようになって、最初にお店がつけてくれたお客さんは、42歳の自称デザイナーだった。自称というのは、わたしが確かめようがないから自称なわけで、わたしが彼の肩書きを疑っていたわけではない。

こざっぱりとした身なりの彼は、わりと儲かっているのか、このソープランドの常連さんであるようだった。だから彼はわたしより、このお店のサービスの流れをよく知っていた。

お店の待合室に彼をお迎えに行き、彼と腕を組んで個室に向かうとき、彼は少し微笑みながら「君、新人さんだって?」とわたしに言った。「おれ、この店の常連だから、新人さんが入ったら、お店から電話があるんだ。新人さんが入ったから是非来てくださいってね、だって新人さんをいきなり一見(いちげん)さんにつけるわけにいかないだろ?」

わたしはその笑顔を見ながら、きっと悪い人ではないんだろうと思った。

個室に入って、彼の洋服を脱がせてあげながら、彼は今日の天気の話をしたり、先日逮捕された名古屋のテレビ局「メ?テレ」のワイドショーの司会者の話をしたりした。

さすがに「そのメ?テレのワイドショーの司会者、ほら、あのお笑い芸人さん、名古屋の風俗エステにハマっていて、じつはわたしばっかりを指名していたお客さんで、わたしが風俗エステに彼をハメこんだんです」とは言わなかった。

そんなこと、言えるはずもないんだけど。

会話もそこそこに、わたしが彼を受け入れると、彼はしきりに最高だと大喜びだった。わたしもおかしくなりそうなくらいに気持ちよくて、演技をする必要もなかった。

で、先輩お姉さんに教わったとおりのことをしなくちゃと思って、ふたたびマットのところに行ってマットプレイの続きをしたけれど、そこでも彼はうれしそうにわたしを求め続けてくるものだから、彼とお風呂に一緒に入る頃には、わたしの膝は気持ちよさのあまりガクガクしていたし、腰は抜けそうだったし、お客さんそっちのけで、わたしが湯船でぼんやりしたいくらいだった。

お客さんが飲んでいたドリンクだって、わたしが飲み干したいくらいだった。

と、まあこんなことがあったわけだけど、もちろん、そういう「いい」お客さんばかりではないというのも事実だ。

風俗業界3年目のわたしでも、これまで嗅いだことのない臭いを放っているお口とキスしなくてはならないときだってあった。

「ねえ、本名を教えてよ」と、しつこく言ってくるお客さんだっていた。

高齢のお客さんで、動きが超スローなお客さんがいて、時間内にすべてのサービスを提供しきれず(ベッドからマットに移動するまで5分くらいかかるものだから!)、怒られたことだってあった。

でも、どういうわけか、ソープのお客さんは、わたしが経験した他の風俗店のお客さんより、とても素直で、とても正直だった。

お互いにハダカで、最後まで「こと」を行うという暗黙の了解は、男女問わず、きっと人を正直にさせてしまうのかもしれない。

わたしがソープランドでかなりの高給をもらいつつ気持ちよくなっているとき、ヒロシはわたしのソープの近所のデリヘルの送りドライバーとして、元気に働いていた。

男の子は、元気になるとセックスしたくなるのか、ヒロシはこれまでの奴隷的な(ドM的な)態度でわたしとの行為に臨まなくなっていた。自分から積極的に攻めるプレイを求めてきた。

でも、ソープの仕事が終わってヒロシと住むアパートに帰っても、わたしはエッチというものをしたいと、まったく思わなくなっていた。

ソープ嬢は仕事が終わるとエッチしたいと思わなくなるということは、昔、歌舞伎町のホストから聞いたことがあったけれど、それが今のわたしにはよく理解できた。

わたしは、ひとりの男では満足できないカラダになっているにもかかわらず、かわいいヒロシとはしたいと思わない、カラダがそう反応しない……。

フェラして挿入……という行為より、クンニしてもらう方が好きなカラダになってしまった……。

だから感じのいいお客さんと一緒のときは極楽! わたし「が」やりたくてしかたないお客さんが来る時は、恥ずかしいけど会う前からすごく濡れるし……でも部屋に入ったとたんに……って感じでいつもはしているのに、 ヒロシとはしたいと思わない……。

わたしはふたたび風俗の求人サイトを眺めるようになった。

このまま、この土浦のソープで働くと、きっと毎月100万円以上稼ぐことができる。

かわいいヒロシになんだって買ってあげられるし、来年には土浦の高級マンションに引っ越すことだってできるだろう。

でも、カラダがヒロシを求めないというのは、わたしにとってものすごく苦痛だった。

以前のように、ヒロシをいじめて、わたしの前でドMに徹するヒロシを見たかった。

何度も言うようだけれど、わたしはヒロシのことを彼氏だと思っているわけではない。好きかと聞かれたら「まあまあ好き」だし、愛していないのかと聞かれたら「まあまあ愛している」。

でも、ヒロシがいるから、わたしは風俗の業界でそれなりに稼ぐことができているのだという、確信のような思いはある。

彼のことを利用しているわけではない。だだ、子どもみたいに純粋で、ぼんやりしている(好意的に言えばやさしくて穏やかな性格の)男の子がそばにいてくれるだけで、わたしは心穏やかに風俗の仕事をすることができている――こういう事実があった。

だからわたしは、風俗の求人サイトを見ながら、いつも葛藤していた。

今のソープの仕事を辞めたいかと言えば、わたしのカラダはとくに辞めたがっていない、むしろもっとソープで働いていたい。お金をいただきながら気持ちよくイクことができる商売って、ほかにない。

でもわたしの心はソープを辞めたがっていた。なぜなら大切なヒロシとプライベートでセックスしたくないと思ってしまうから。お仕事が終わったら、なぜか、なぜか、なぜか、セックスしたくないと思ってしまうから。

だからヒロシはわたしの前でオナニーしている。わたしに恥ずかしい姿を晒すことが、彼の生きている悦びのひとつなのだ。でも今のヒロシは、きっとそれだけでは満足していない。わたしのカラダだって満足していない、それなのに……どうして。

ある日の夜、土浦の駅前のデニーズでヒロシと夕御飯を食べていたとき、わたしはヒロシに正直に告白した。

「あのね、ソープ嬢をしていたら、プライベートでエッチしたいと思わなくなっちゃうんだ」ソープの個室で、わたしが1日に何度も気前よく潮を吹き、気持ちよくイっているという事実は、もちろん彼に言わなかった。

彼は答えた。

「なら、ソープ辞めちゃえばいいじゃない。優子ちゃん、もう借金なんか完済しちゃってるわけだし」

「辞めてどうすんの?」わたしはヒロシに聞いた。ヒロシはわたしの質問に質問をかぶせてきた。

「優子ちゃんさ、今貯金いくらあるの?」

ヤバイ質問をしてくるふてぶてしい奴隷だと思ったけれど、わたしは正直に答えた。「400万円ちょっと」

「そしたらさ、一緒に北海道に引っ越さない?」

わたしは驚いて、すごく大きな声で「北海道?」と聞き直した。

「うん、北海道。だってさ、優子ちゃんって、全国どこに住んでも稼げるじゃない。おれの借金もあと50万円くらいだしさ、だからこのへんでこれまで住んでみたかった土地に引っ越してもいいと思うんだよね」

「これまで住んでみたかった土地が北海道って、それ、ヒロシが住んでみたかった場所でしょ? わたしはあんな寒いところに住みたくないんだけど」とわたしは言った。

「住めば都って言うじゃない」とヒロシは答えた。

「たしかに」とわたしは言った。わたしの奴隷はなかなか会話の切り返しがうまい。

「では北海道にお引越しということで。おれは明日、今の店を辞めるって店長に言ってくるから、優子ちゃんも明日辞めるって言ってきなよ」

「常連さんに辞めるってメールして、最後に来てもらわないといけないから、1週間後に北海道に引っ越そうよ。辞めるって常連さんに言うと、いっぱい延長してくれてかなり稼げるからさっ! ねっ! お願い」

ヒロシは「うん、じゃあ1週間後にお引越しということで」と言った。

しめしめ……これでわたしがセックスしたいお客さんとヤりまくって土浦を去ることができる。

そんなわけで、わたしの土浦の思い出は、大量に潮を吹いて、ヤバイくらいのお給料を得たということだけだ。

もっとオトナっぽく言うなら、ソープに向いている女子と向いていない女子がいるという学びがあったということだ。

スポーツに向いている人と向いていない人がいるように、音楽に向いている人と向いていない人がいるように、ソープにも向き不向きがある。

だからわたしは今でも、ソープ嬢なんて大変な仕事だからやるもんじゃないという人の意見を100%信じない。

世の中、やってみないとわからないことって、ある。

 

 

『世界が変わるとき』第7話に続く―――

『世界が変わるとき』第5話に戻る―――

2016/09/28